Fujimigaoka
思索力の育成
校 長 稲 垣 達 也
令和6年度は、本校開校75周年の記念すべき年となります。昭和24年4月、北多摩郡昭和町立富士見丘小学校として開校以来、昭和・平成・令和の3つの時代を経て、7086人もの卒業生を輩出しました。この間、保護者・地域の皆様をはじめ、実に多くの人々の献身的な御尽力と、愛校心、郷土愛に支えられてきました。本校に御縁のある全ての皆様に、深く感謝を申し上げます。
本校では、子供たちを「未来の守護者」と捉えています。人類の未来を創造し、未来を守るのは、今の子供たちに他ならないからです。その子供たちを育てる学校教育は、未来を創る仕事と言えます。教育は未来からの負託であり、私たち教職員一同は「未来からの留学生」である子供たち一人一人の人格を尊重し、未来を生きる人材を育てる重責を自覚し、全力を尽くす所存です。
そのために、本校の教育目標を次の通り定め、今の子供たちが30年後、50年後の未来社会から現代を覗き、未来から今の本校の教育を評価された時、恥ずかしくない、未来に誇れる仕事をして参ります。
〔 Society 5.0時代”を主体的に生き抜く「ふじみの子」(学校の教育目標)〕
人権尊重の精神を基調に、心身共に健康で創造性に富み調和のとれた児童を育成するために、SDGs の目標に関連させた学習を展開し、社会の一員として予測不可能な課題に対峙し、協働して持続可能な未来を創造する資質・能力を育み、誰もが居心地よく過ごしやすい「垣根のない学校」を目指す。
〇 よく考える子
自ら学びに向かい、創造力・表現力に富み、正解のない課題に納得解を導く子
〇 思いやりのある子
認知機能を高め、自分も他の人も尊重し、敬意をもって大切にできる心豊かな子
〇 健康な子
基本的な生活習慣を身に付け、運動に親しみ、心身共に健康で活力に満ちた子
◎ すすんで働く子
未知の課題を思索し、新たな価値観や行動を生み出し、協働して未来を創造する子
この教育目標の中で、「思索」という言葉を使っています。重要なキーワードです。「思索」とは何か? 言葉の意味を整理して、本校の目指す方向性の共通理解を図りたいと思います。
「思索」に近い言葉で、「思考」や「思案」などがありますが、微妙なニュアンスが異なります。「思考」はじっくり考えることを指し、思考力というように能力的な側面が重視され、「思案」はあれこれ考えを巡らせることを指し、心配や物思いといった感情的な側面が含まれます。そして、「思索」は物事についてどうしてそうなったのか、深く追求することを指し、筋道を立てて論理的に考えを巡らせることで、物事の道理を辿り、深く考えるという意味があります。
本校が目指す児童像や「学力観」は、この「思索力」に尽きます。そのため本校では、すべての教育活動を通して課題解決学習、探究的な学習を推進しています。『学校図書館』と『ふじみ探究ノート』の活用を中心に、生活科や総合的な学習の時間をはじめ、各教科等の授業、週1回の「短作文」、夏休みの「図書館を使った調べる学習コンクール」、3学期の「思索チャレンジコンテスト」、探究発表会」など、一貫性のある教育を展開します。各学年のテーマを設定し、「いのち(命)」を縦糸に、6つの横糸を紡いでいきます。
1年生 いのち × せいかつ 2年生 いのち × まち
3年生 いのち × 地域 4年生 いのち × くらし
5年生 いのち × 環境 6年生 いのち × 生き方
この1年、皆様と共に、希望をもって歩んでいくことをお誓い申し上げます。今年度も、本校の教育活動に御理解と御協力を賜わりますよう、よろしくお願い申し上げます。
令和6年4月1日