平成19年度昭島市公立中学校PTA協議会主催教育懇談会

演題:昨今の少年犯罪の現状とその予防策として何ができるか?

中央大学法学部教授・犯罪学博士 藤本 哲也

日時:20071114日(水)

場所:昭島市役所市民ホール(1階)

 

I  最近の少年による重大事件

(1)神戸連続児童殺傷事件(19972月)

(2)西鉄バスジャック事件(20005月)

(3)大分一家殺傷事件(20008月)

(4)長崎幼児誘拐殺害事件(20037月)

(5)佐世保小六同級生殺害事件(20046月)

(6)東京都板橋区都立高校1年生両親殺害爆破事件(20056月)

(7)奈良県田原本町私立高校1年生放火殺人事件(20066月)

(8)福島県会津若松男子高校3年生頭部切断事件(20075月)

(9)京都府京田辺市専門学校生(16歳女子)父親殺害事件(20079月)

 

U 凶悪な少年非行の前兆行動

(1)最近の少年による特異・凶悪事件の前兆等に関する緊急調査

      @過去に犯罪やいじめの被害を受けたことがある

      A学校等において孤立したり、不登校、怠学、引きこもり等の経験がある

      B犯行の1年くらい前から暴力行為や粗暴行為などや刃物の携帯・収集などがみら

        れる

      C周囲に人に対して犯行をほのめかしたり、悩みを相談するなどの犯行の前兆とみ

        られる言動がある

      D動物虐待・自傷行為の経験がある

(2)家庭での前兆行動

      @ 友達の名前や外出先を言いたがらなくなる

      A 帰宅時間が遅くなり、外泊や深夜の抜け出しをするようになる

      B 家族とのつながりを持とうとしなくなる

      C 家族に隠れて電話をかけたり、電話がかかってきたりする

    D 乱暴な行為や言葉が目立ってくる

(3)学校での前兆行動

 @ 遅刻、欠席がふえてくる

    A 授業が乱れ(忘れ物、居眠り)、成績が下がってくる

      B 部活動へ参加しない日がふえる

     C 服装や持ち物が変化してくる(目立ちたがる)

   D 不良行為にあこがれる話を多くする

   E 言葉使いが乱暴になり、顔や表情や雰囲気が険しくなる

(4)地域での前兆行動

   @ 先輩や他校の生徒とのつながりを大切にする

   A 帰宅後はコンビニ等の人の集まる場所に行きたがる

   B オートバイに乗せてもらうだけで満足できなくなり、運転したくなる

 

V 最近の少年非行の一般的特徴と原因

(T)少年非行の一般的特徴

       @主体面では、普通の少年による「いきなり型非行」

       A動機面では、キレル・ムカツクという理由による「ストレス型非行」

    B形態面では流行に流れやすい「模倣型非行」、弱者を標的にした「集団型非行」

(U)少年非行の原因

(1)少年自身の問題

@   身体と精神のアンバランス

A   社会的意識の未成熟

B   規範意識の欠如

(2)学校の問題

@   教師の権威の低下と自信の喪失

A   教師と児童・生徒の信頼関係の不足

B   児童・生徒相互の人間関係の希薄さ

(3)家庭の問題

@   親の過保護・過干渉

A   親が兄弟姉妹を比較する

B   父親の権威の失墜

C   父母の教育方針の不一致

(4)社会の問題

@   社会の享楽的風潮

A   規範(倫理)意識の低下

B   社会連帯感の希薄化

C   新たな有害環境の創出

 

W 少年非行防止策

  青少年を取り巻く生活空間について考える

   @第1の生活空間としての家庭

   A第2の生活空間としての学校

   B第3の生活空間としての地域社会

   C第4の生活空間としての情報空間

   D第5の生活空間としての居場所的空間

 

X 今すぐ実践できる交流分析法による対話

(1)交流分析法

 

両親エゴ・・・・おせっかい(〜しなさい)

 

自我には3つのエゴ      大人エゴ・・・・常識

 

子供エゴ・・・・甘え

 

☆問題行動を起こす少年の言葉・行動は子供のエゴから発せられることが多い

 

 

 

 

 

 

 

 


  母         子    母        子    母        子

 

  対話が平行して成り立っているのが良い状態。対話がクロスし続けると人間関係がうまくいかなくなる。クロスしているかどうか判断するのは難しいが、その時の対話で優位に立つ者が、一歩余裕を持って注意・観察することが大切

 

(2)家庭の非行抑止機能の再評価

     @ 「親の目」という監視機能

     A 「しつけ」という教育機能

     B 「親子の絆」という情緒的安定機能

     C 「親が責任をもつ」という保護機能